第1章 *悪い夢【リヴァイ】進撃*
いきなり近くで声が聞こえて心臓が飛び上がる。
間違いじゃないから余計に動揺してしまう。
「どうなんだ?答えろ」
「ん…!んんん!」
「ああ、これじゃ話せねぇな」
手を退かしてくれと訴えてみたら案外あっさりと解放してくれて息を吐く。
けど身体に回されている方の手は外してくれず、リヴァイの顔を見る事が出来ない。
「あの……いつまでこのままなんでしょうか……」
「お前が答えるまでだ」
答えてもきっと変わらないんだろうなと思いつつは口を開く。
兵長が自分の目の前で奴らに殺される夢を見たと。
リヴァイは黙って聞いていたが、夢の事については心底くだらねぇと思っていた。
「すみません、ただの夢なのに……」
「で、お前の夢の中で俺はどうやって死んだ?」
「どうやってって……ガシッと捕まってグッと潰されて口の中に……」
「そうじゃねぇ。奴らに捕まるなんて事は先ずありえねぇが……どうしてそうなったかを聞いている」
だがリヴァイは夢の詳細を聞き始める。
が話している間ずっと震えていたのを感じ取っての質問だった。