第1章 *悪い夢【リヴァイ】進撃*
突然ドアの開く音がして、それと同時には中へと引き摺り込まれたのである。
リヴァイの部屋が開いたのだから、自分を引っ張ったのはリヴァイだと分かっていながらも暴れてしまう。
口は手で塞がれ、身体はガッチリとロックされているから逃げられない。
「おい、暴れるな」
何必死こいて逃走しようとしているんだと呆れるリヴァイ。
それは声にそのまま反映されていた。
愛おしい彼の声が聞こえた瞬間安堵したは暴れるのを辞めて大人しくなる。
そうしたらこの手を退かしてくれて、振り返る事が出来ると期待して。
……だがリヴァイは離そうとしない。
「こんな時間に何の用だ?」
リヴァイは薄々感じ取ってはいたがあえてそう問い質した。
口を塞がれているは当然話すことが出来ず、ただ「んん!」と言うだけ。
それでも拘束を解かないリヴァイはゆっくりの耳元に口を寄せて……こう囁く。
「俺に会いたくなったか…?」