第3章 *理論はいらない【竜ヶ崎怜】Free!*
『怜?』
訳も分からず渚に背中を押された怜はが居る場所までやって来てしまった。
振り返って見ると、渚はドアの向こうから手を降っている。
「貴方って人は…!」
「どうした?怜」
「えっ、ああいやその……」
準備も何もしてない状態で送り出されたから、真琴にどうしたと聞かれても上手く答えられない。
と遥からも視線を浴びて汗が出て来る。
「お前も鯖買いに行きたいのか?」
「いやそれ絶対違うからぁ!」
「じゃあと帰れなくて不貞腐れてるのか?」
『えっ…?』
遥は鋭い。ドンピシャで言い当てられてしまった。
だが「そうです!」と直ぐに言えないのは恥ずかしいから。
「僕はさんが好きなんです!」
「だから一緒に帰りたい……二人きりで帰りたい!」
って告白するようなものだと。
『ごめんね……じゃあ一緒に帰ろう?怜』
「え…?」
「心の声ダダ漏れだったよ」
「ええええ?!」