第13章 *妻の不安【真田弦一郎】テニプリ*
「何をしているのだ…!」
「お願い怒らないで…!私寂しかったの……」
「寂しいだと…?」
「弦一郎が……全然抱いてくれないから……」
真相が判明した瞬間俺はドキッとした。
確かに……身体では殆ど愛していなかったからだ。
愛でるとしても月1くらい。
そうしなくとも俺は充実し、日々の行いからしっかりと愛は伝わっていると思っていたのだ。
「弦一郎はシたくないの…?私を本当に愛してる…?」
「無論だ」
「ならどうして……」
「せずとも想いは伝わっていると思っていたからだ」
「うん、それはちゃんと分かってる。でもそれだけじゃ足りないの……。弦一郎、お願い…っ」
愛妻の願いを踏み躙る夫が何処にいるだろう。
少なくともこの場所には存在しない。
技術は今だに課題だらけだが……が俺とシたいと言うなら叶えてやるまで。
俺が不安にさせてしまっていたなら、俺がその不安を解消する。
それが今の己に与えられた使命だ。
「うむ、了解した」
「もう……堅いよ弦一郎。もっと楽にして…?」
「す、すまない……ならばそうしよう……」
「んん…っ」
毎度思うが俺の接吻はこれでいいのだろうか。
ぎこちなくないだろうか、歯は当たっていないだろうか。
でもそれはお前の顔を見ればどうだったか分かる。
「ふぁ……弦一郎……」
この蕩けた顔が俺に「良かった」と教えてくれる。
「もっとして」と訴えてくる。
お前の為ならば幾らでも捧げよう。
だから沢山俺を感じてほしい……。