第12章 *なら及川、お前が退け【岩泉一】ハイキュー!!*
そう言うの顔は本心を隠しきれていないものだった。
言葉では俺の望んだ事を言ってくれたが、表情は作り笑い。
顔が引きつっていて……いつもの明るい笑顔じゃなかった。
「先輩と居るだけで私は十分ですよ…!」
「……ちげーだろ、嘘つくな」
「う、嘘じゃありません!」
「お前は分かりやすいからな。表情がかてぇ」
「っ……」
「本当の事を言え。全部聞いてやるから」
先ずはこいつの不安を全て受け止めようと思った。
どんな事を言われてもいいから隠さずに全部吐き出して欲しい。
分かりやすい性格のお前がこれまで良く我慢して来たなと思う。
でもそれじゃ何の為に俺がいるのか分からない。
お前の事を支えてやれるのは俺。
お前の為なら俺は何でもする。
知らないだろうけど、今までこっちはの存在にいつも力を貰ってた。
まだ来てねぇのかって体育館見渡して……
姿を見つけると心があたたかくなって……
今日も気合い入れねぇとなって練習に励んで……
を見つけて気になった頃からずっと……俺はお前から元気を貰ってた。
勝手だけど……
名前も知らなかったお前を自分の支えにしてたんだ。
だからを大事にしたい。
好きだからこそ大切にしたいと思った。
でも俺は間違ってたんだろ…?
教えて欲しい。
お前の本当の気持ちをぶつけて俺に教えて欲しい。
全部……。