第12章 *なら及川、お前が退け【岩泉一】ハイキュー!!*
「きっと恥ずかしくて声に出してないだけだよ。だから岩ちゃんは勘違い野郎って事だね!」
「……ア”?」
「ごめん!ごめんってば!だったらさ、試しに手でも振ってあげなよ!」
「しねぇよそんな事」
「ほらほら岩ちゃん!」
「ハァ?!ふざけんな何勝手に…!」
鼻歌歌う及川に無理矢理手を振らされた俺。
勿論相手はあの女。
恥ずかしいにも程があるって速攻で及川を黙らせ、怒りやら羞恥心やらで上がった息を整える。
「ったく何考えてんだクソ及川!!」
って言い放った直後、黙らせた筈の及川が「なんで?!」と叫んだ。
その視線を辿ると……そこには顔を真っ赤にしてこちらを見ている例の女が。
だが俺と目が合うと何故だか帰ってしまった。
ここからじゃよく分かんなかったけど可愛いな……。
とか思ってしまった事は及川には内緒で。
「まさか岩ちゃん目当てなの?!男の趣味大丈夫かな?!俺心配でグフッ…!」
「死ね!!」
このクソを制裁し、さっきまで女が居た場所を眺める俺。
自分で言うのもおかしいけど、あいつは及川じゃないってのは分かった。
あんなあからさまに照れられちゃ……
俺だって期待する。