第11章 *岩ちゃん退いて【及川徹】ハイキュー!!*
「じゃーね岩ちゃん、バイバーイ!」
それから合流して、一先ずの家まで帰って来た。
決心したお陰か……俺の心は結構清々しい。
けど幾ら何でも岩ちゃんの前で告白するわけにはいかないから、俺はの家に寄るつもりで岩ちゃんに手を振る。
「何がバイバイだ!」って頭突き食らって痛い。
「だって俺んち寄ってくから」
「は?」
「えっ、ちょっと待って…!何それ聞いてないよ……」
「うん、俺がさっき決めたからね」
「勝手に決めんじゃねぇ!こいつにも都合があるだろ」
「ねぇ、寄ってってもいいよね?」
「え、あ……えっと……」
この時は岩ちゃんを見た。
俺が聞いてるのに何でそっちを気にするのか分からない。
折角清々しい気分でいたのに台無しだ。
「……うん、分かった。じゃあ入ろうか」
「え…?私まだ何も……」
「じゃあ今度こそバイバイ、岩ちゃん」
俺は笑ってるけど、心の中では黒い渦がグルグルと回っていた。
岩ちゃんから遠ざけたい。
早く気持ち伝えて俺のものにしたい。
そんな思いがの腕を掴む手に力が篭り、彼女の部屋目掛けて足早になる。
唇を噛み締めながら。