第11章 *岩ちゃん退いて【及川徹】ハイキュー!!*
「おい、あいつ待ってんだから早くしろよ」
「待って岩ちゃん!俺より先に部室出ちゃダメだよ!」
「は?何で」
「何でも!とにかくダメだからね!」
「わけわかんねーよ。1人こんな暗い中外で待たせておけねぇだろ。先出るぞ」
「あー!!岩ちゃんの薄情者!!」
今日の帰りはどうやってアピールしたらいいかなーなんて考えてたら……いつの間にか俺だけになってしまった。
慌てて制服に着替えるけど……
外にいる達は一体何を話してるんだろうとか、岩ちゃんはどんな抜け駆けをしているんだろうとか考えてしまって……
「ああ!ボタン掛け違えちゃったよー!」
から回って上手く着替えられない。
もうこんな思いするのは嫌だ。
を取られたくない。
今のままでも……俺が好きだよって言ったらは「私も」って返してくれるだろうか。
付き合ってって言ったら頷いてくれるだろうか。
「うん……頷いてくれるよね」
この俺がこんなに奥手になるなんて。
自分に対して鼻で笑ってしまう。
けどもう……やめよう、こんな事は。
本当に取られてしまう前に想いを伝えなきゃ。
「よーし、着替え完了!!及川さんが今行くよー!」