第11章 *岩ちゃん退いて【及川徹】ハイキュー!!*
そして登校中、とても嫌な光景を目撃してしまった。
口尖らせて2人の後ろを歩いてた俺だけど……それ見た瞬間にまたシワが寄る。
さっきより深いシワが。
「あっ……ごめん、手が……」
「ああ、悪りぃ」
この……なんとも初々しい光景に歯を噛み締める。
手と手がぶつかっただけじゃん!何は照れちゃってるわけ?!
岩ちゃん「悪りぃ」ってホント悪いよ!
とか思う。
もう付き合いたてのカップルに見えて仕方が無い。
で……その2人の後を空気が読めない寂しい男、及川さんが着いて行く図にしか見えない。
ねぇ……俺は?
どうして振り返ってくれないの?
岩ちゃんなんかよりずっと良い男が後ろに居るんだよ?
なんでの隣りが俺じゃないんだろう。
岩ちゃん、場所代わって。
「もー何?小さい子供じゃないんだからさ、照れなくてもいいじゃんっ」
「俺は照れてねぇよ」
「あれ、岩ちゃんツンデレですか?」
「……ア?」
「あーごめん!謝るから睨まないでよ!」
堪らなくなって2人の間に身体を滑り込ませてみた。
ちょっと手が触れ合った所を見て嫉妬するなんて……それこそ子供みたいだ。
けど俺はもうずっとずっと我慢してきた。
ほんの僅かな事でさえムカッとする。
嫌だね、嫉妬ってさ。