第1章 ひとばしらにようこそ
難しいことはいまいち理解できない。
ただ、必要とされているらしいということだけは把握できた。
『楽しそうだね。良いかも。是非やりたいな!』
見たこともない世界に行けるなんて、と胸がざわざわして期待してしまう。
「では、貴女に力を授けましょう。ひとつめは不老不死の力。ふたつめは尽きることのない魔力。」
死なない躯、膨大な魔力。
なんだかゲームや小説にありがちな設定だ。
だけれど、それを聞いても気持ちは萎えたりしない。
むしろテンプレでかなり興奮してきた。
「みっつめは貴女が望むモノをあげるわ。地位や名声を望むも良し、なにも望まないも良し。」
何でも良いのかという問いに彼女は優しく微笑み肯定した。
ならば、望みは。
『たくさんの仲間と世界を救う冒険みたいなモノをしたい!』
少し難しい顔をして、しかし彼女は言う。その願いは聞き入れましょうと。
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