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RICHIESTA

第1章 ひとばしらにようこそ


死なない身体、魔力、冒険と仲間!
まるでRPGの主人公のようだ。

「ではさっそく貴女を移動させましょう。ああ、それとこの空間で話したことや、貴女の前世のことは全部忘れてもらうわ。」

忘れちゃう?何でだろう。
そんな疑問を浮かべると、口に出す前に答えをくれた。

「人柱として生きていることをその世界にいる者に悟られてしまえば、世界ごと崩壊してしまうの。だから、なにがあっても口を滑らせないように忘れてもらう。」

なるほど、要するに難しい問題なんだな。めんどくさいから考えるのをやめよう。

「貴女があちらに着いて覚えていられるのはサキという名前だけよ。人柱としてしなければならないような使命は特にないから、好きなように生きなさい。」

アイアイサー、了解であります。
ではでは行って参ります!と敬礼をしたら目の前が真っ暗になってしまった。
そのまま意識も手放す。


×××××


やがて、何もない白の空間に残された女はひとりごちる。
今までの柔和で穏やかな雰囲気はなく、気怠そうに溜め息をついている。

「まったく、アタシは神の御使いの真似事するのはごめんだってのに。」

しかめっ面の女はただただ見守るだけ。

さてさて、あの子はどんな運命を辿るのかね。救いのない道も、ありふれた道も、幸せな明るい道も、いくらでもある。
やり直しだっていくらでも利くのだ。なんせ死なないのだから。

「いや……死ねない、の間違いかね。」


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