第2章 出会い
私は赤司に連れられ更衣室から出たものの、赤司は足を止めることなくずんずんと進んでいく。
「ちょっ!征くんっどこ行くの?!」
赤司「………。」
赤司が足早に進んでいくため、私は小走りで後をついていった。
体育館裏まで連れてこられたところで、赤司は足を止める。
が、それと同時に私を体育館の壁に追いやり、私を間に置き両手を壁についた。
「せっ、征くんっ///」
目の前には無表情のまま私を見つめる赤司の顔。
その紅い目に射ぬかれ、私の胸はドクンと跳ねる。
赤司「………触らせすぎだよ。」
彼がやっと発した言葉の意味が分からず首を傾げると、顎を捉えられ、唇を塞がれてしまった。
「___っんっふぅ、んんっ///!?」
何度も角度を変えながら深くなっていくキスに頭がぼーっとし始めてしまう。
赤司「虹村さんと……何してたんだ?……手なんて……なぜ繋ぐんだ?」
キスの間に紡がれる彼の言葉を聞きながら、私は息すらまともに出来ない状況を必死で堪える。
突然、唇から熱が離れると、赤司は静かに私を見つめていた。
「……はぁ…はぁ……修くんの、右手の中指のささくれ……ケアしてただけだよ……?」
私が話すと彼の顔が再び近づいてきた。
キスされる…と思い、目を閉じるも一向に唇は重ならず、代わりに肩の所にトン、と彼の紅い頭が乗せられた。
「せ、征くん……?」
私の肩に頭を乗せたまま動かない彼の背中を擦る。
赤司「………君が、他の男に触られてるのをみると……どうしようもなく心が乱れるんだ…… エレナ……」
ポツリポツリと呟く彼を擦りながら、私は頷く。
赤司「…… エレナ。……抱き締めてもいいかい?」
そう言い、私の体に回される腕はとても優しく、私を壊れ物を扱うかのようにふわりと抱き締めた。
私は彼の体温を感じながら、赤司に身を委ねる。
「……征くん。私……征くんにぎゅってされるの……好きなの。……すごく安心する。」
赤司は私の言葉を黙って聞いていたが、抱き締めている腕に力が込められたのを感じる。
赤司「……ありがとう。俺も…… エレナをこうして抱いていると安心するよ。………みっともない姿を見せてすまなかったね。」