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代役屋

第2章 代役屋


家を出ると駅に向かう。駅は、家から徒歩5分くらいのところにある。駅には電車が発車する15分前に着き、売店でジュースを買う。そして駅のホームに向かう。それでも5分余る。いつもの事だ。美華はポケットからケータイを取り出すといつものようにあるゲームを始める。
そのゲームとは、ブロックを3つ以上並べて消すというシンプルなパズルゲームだ。毎日余った時間このゲームをやる。毎日やっているため腕はかなりいい。友達もこのゲームをやっている人が多い。毎日変わるランキングでは、1位を美華以外獲った事がない。仮に獲れたとしてもすぐに追い越されるだろう。当たり前だ、毎日やっているのだから。
美華にとってそのゲームは楽しいわけではない。ただ、暇つぶしに始めたらランキングで1位が獲れてしまい、そこからなぜか1位を誰にも譲りたくないという負けず嫌いが出てきた。だから毎日やっている。他人になんか負けたくない。その一心でやっている。
この電車が出発するまでに一回プレイするだけ。
それだけで今日の1位が決まってしまう。

「あ、来た。」

電車が到着した。
美華はいつもの乗車口から乗り、いつもの席に座る。
これが始発なため好きなところに座れる。毎日一緒に乗る会社員、学生・・・誰もがなぜか同じところに座る。
電車に乗ってる間は、友達とLINEをやる。これも日課だ。
LINEを開くと、親友の小澤 真緒(こざわ まお)からメッセージが届いていた。

『今電車ー?』

「電車だよ☆」そう返すとすぐに既読がついた。

『じゃぁ話そう!!!』

「いいよっ♪」ここから真緒との会話が始まる。

それが毎日の日課だ。
しかし話す事は毎日違う。恋バナだったり、相談だったりといろんな会話をする。



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