第19章 ふぇち 三成
「おかしいですよね?!」
はハッと顔を上げて三成を自分の背中からベリベリとはがそうとする。
だが男女の力の差はわかりきったことだった。がどのように力をいれようが三成は細く筋肉のついた白い腕をから離そうとはしなかった。
「無駄なあがきはやめろ」
三成はまだ離れようとはしなかった。むしろ先程よりも密着している。
「くすぐったいんですって!か、髪の毛がっ」
三成の前髪がの項をかすめ、鳥肌は止まるコトを知らない。
「…離れてほしいか」
「そ、そりゃあっ」
行き成り甘えたような声で腕の力を緩める。これなら非力なでもすぐに振り払うことができそうだ。
「私が嫌いならば、離れれば良い」
「えっ」
「どうする」
…無理だ。
そう思ったはおとなしく三成の体に身を預けるように寄りかかった。
満足したのは三成は優しく微笑んでまたぎゅうっと抱きしめる。
「…なんでそんな押し付けてくるんですか」
「の匂いが好きだ」
「匂い?」
そんな変なにおいをしていたのかと思わず自分の服の匂いをすんすんと嗅いでみるが、とくにこれといった匂いはないし、あるとするなら洗剤の香りだけだ。
「自身の、匂いだ」
「…へ、へんな三成さんですね」
「まぁ、変でも良いだろう」
また鼻を項に押し付けて、満足そうに微笑んだ。
END