第19章 ふぇち 三成
の彼氏は三成、この高校の生徒会を務めている。
三成は至って模範的な生徒で文武両道で皆からのあこがれの的だ。
「おかしいなぁ…」
三成とが付き合い始めたのはつい最近の修学旅行だった。
「何がおかしい」
突然女子部屋に来たかと思えばの腕を引き外へ連れ出していったのだ。
それまでは特に接点のなかった二人だったが、話を聞けばどうやら三成の一目ぼれだったらしい。
入学式の時に一目を見て惚れ、自分を少しでも意識してくれるようにと生徒会に入り、真面目な自分を晒してきたのだという。
「石田さん」
「三成だ」
「…三成さんって、そんな人でしたっけ」
真面目、真面目、とても真面目。それが彼の特徴だったはずなのに今は何故か授業中なのにもかかわらず屋上で日向ぼっこをしている。
「もう単位はたりている」
「あぁ…そういうことかぁ」
この時期は3年に必要ない授業は出なくていいし、帰りたければ帰ればいいし、来たくなきゃ来なくていいし、来たければ来ればいいのだ。
でも、それでも納得のいかないは三成を男として見ていなかったんだろう。
「で、あの」
「なんだ」
「いやぁ…その…」
納得がいかないのは彼の行動だった。
はしかめっ面で背中に感じる体温について考えていた。