第17章 怖い、恐い 政宗 ★
やだ。こわい、いきたくない。いきたくない
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!離してぇええっ!!やめて!!やだ!!」
「うるせぇっオラ!!黙れ!!!」
頬が痛い、何で
「ひっ、い、い”ッ!!?」
なんで、私がこんな目にあってるんだろう。
私はどうして知らない人に殴られてるんだろう。
「こないで、こないでよ。やだ....ッ!!」
「おい、コイツうるせぇから黙らせてくれよ」
「んなことわかってるよ」
頭を思い切り掴まれて床に叩きつけられる。
顎からついたわけじゃないから、多少痛みは軽減されているけど、うつぶせだから苦しい。
「なにっ、な、ぁああっ!!!」
「てめっ死にたくなかったらじっとしてろ!!」
右腕を押さえつけられ、動けなくなる。思い切り体重がかかってる。
「やだやだやだやだやだやだやだっ!!!!やだ!!!」
もう、私の声は届いてないんだろうか。言い返しても来ない。
「ッ!!!?」
腕にチクリと鋭い痛みが走り、何かが入ってくるのがわかる。
「これで気持ちよくなれんぜ」
「きもち、わるッ....!」
ぷつりと思考が入れ替わるような錯覚に陥る。
ぐわんぐわんという頭痛のあとにぱちぱちと視界の隅で光が弾けるような感覚がした。そして、体の中が仄かに熱を帯びる。
「んんっ!!?」
「キくのはえぇんじゃね?」
「乗り気だったんだろ!」
下腹部がじんじんとしだし、おかしな気分になってくる。理性が薄れていく感覚がわかる。
「かえ、る、家、かえるっ!」
「じっとしてろ!!」
這っていこうとおもったら、突然お腹を蹴りあげられてしまった。
その衝撃でまたぱちっと閃光がとんだ。
「ひぃっ!?」
ごろごろと転がって、なんとか痛みと気持ち悪さに耐える。
だんだんと意識が朦朧とし、這う力さえ無くなってくる。私はどうなってしまうんだ。
「おら、どうだ?もうそろそろイイ頃だろ」
「あ”ぁぁぁぁッッ!!!?」
両足を持ち上げられ、顔も知らぬ男は私の股を踏み付ける。痛い筈なのに、痛いと言えない。
「んなに乱暴に扱うなって」
「あーすまんすまん」
「ひっ、ぎ、ぁあっ」
もう逃げたいとか助かりたいとか、そんなことよりも違うことを求めている気がする。
このむず痒さを、どうにかしてほしいと。