第14章 謝り癖 政宗
「ご、ごめんなさい」
は一日に何度も何度も謝る。
「突然、こんなこと言われても困るよね…ごめん」
大丈夫だ、そう声をかけても謝ってしまう。
彼女の悪い癖だ。
「いや、俺は」
「平気っ、別に、そのー…高望みはしていないから!」
本当にごめんなさい、もう一度は深く頭を下げて謝る。
なぜこんなにも彼女に謝られることになったのか、それはほんの十数分前にさかのぼる。
「だ、伊達さんっ!好きです、付き合って下さい!!」
放課後の校舎裏、いたってありきたりなシチュエーションで政宗は告白をされた。
相手は、とくに目立った女子ではなかったし、何回か政宗と話しただけだったのでまさか告白されるとは、と政宗も正直驚いていた。
「……はっ、あ、あのっ、いや、ええと」
政宗が何も言ってこないのに対し不安を抱き、が顔を上げるとしかめっ面でこちらを睨んでいる(?)政宗と目が合ってしまったのだ。
当然こんなことを言われては迷惑なのだろうとは混乱し、
「ご、ごめんなさい」
そう謝ったのが始まりだった。
「私なんかが伊達さんと付き合おうだとかっ、ほ、本心じゃあありませんからっ」
ほんと、すみません、と彼女はまた謝る。この一回の告白で、合計10回ほど謝っているのだ。これでは聞く方が疲れてしまうのに。
「頭、上げろって」
「…すみません」
また謝った。