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月が綺麗ですね【鬼灯の冷徹*BL】

第1章 月見夜の灯火


冷たい夜風が吹き荒れる現世を横目に、
私は天国の道をひたひたと歩いていた。
常春のこの場所も、多少の季節の代わりはあるものだ。

来る途中に束になって伸びていた数本のススキを手に、
緑生い茂る森の獣道を進んでゆく。

陽が上に向いていた時には騒がしかった大勢の声は、もう何も聞こえることはない。
それもその筈。胸元から取り出した懐中時計の短針は丑の刻を指している。


薄雲が流れる夜空に浮かぶ満月は、
暗い夜道をうっすらと照らしていた。
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