第3章
「「……………」」
「「(小っ恥ずかしい!!!)」」
「…そ、そろそろ帰ります」
「えっ、あっ、ちょっと待ってよ!
ほおずっ……」
ガッ
「え」
情けない声がした方を見ると、
雲の隙間の穴に足を取られた白澤の姿。
………が、それはすぐに消えてしまった。
白澤が入ってしまいたちまち広がった穴は天然の落とし穴となり、
やつはそのまま情けない悲鳴とともに現世へと落ちてしまった。
「ギャァァアアアアアア!!!!」
「あー………」
やれやれと穴をのぞき込むと、
絶賛落下中の白澤がどんどん豆粒ほどの大きさになるのがわかった。
幸いその先は山奥で、現世への被害はないだろう。
ならば
「まぁ、いいか。」
まるであの時と同じようなそのシチュエーションに呆れながら、
紅葉の咲く枝を重りにして
一枚の紙をその場において立ち上がる
さっさと戻ってくる事ですね。
風に靡くサインの書かれた婚姻届を尻目に、
私は天国を後にした。
数日後、
朝早くに地獄に訪ねてきた白澤にが指輪を鬼灯に渡した話が出回るのは
また別のお話