第6章 雲にかくれた月。
「…クシュッ。」
雨にぬれたせいか
体が冷える。
「…はぁ、泥も落ちねぇし…仕方ねぇ。洋服貸すから風呂入って来い。んで、その汚れた洋服全部洗濯機に突っ込め。洗って乾燥機かけるから。」
火神はそういうと、
お風呂の電源を入れて、
奥の方へ歩いて行った。
…人の家でお風呂入るとか…
超緊張するんですけど…!!!!
し、しかも火神の服!?
どうしよう。
なんか…
ラブコメみたい!!!!
私の心は躍っていた。
しばらくすると、
火神はジャージ上下とタオルを私に渡した。
「わりぃ、こんなんしかなかった…。ほら、行って来い。」
火神は私を風呂場の方へ入れると、
ドアを閉めた。
「そこに洗濯機あんだろ?そん中に汚れた服いれとけ!」
ドア越しに火神が声をかける。
私は言われた通りに汚れた服を
洗濯機に入れた。
…雨のせいで下着まで全部濡れていた。
これはどうしよう…。
「ねぇー!火神ぃー!」
「あ?なんだよ?」
「下着濡れてるんだけど、どうしたらいい!?」
何かを盛大にひっくり返すような音が聞こえた。
「っば!し、知るかよ!洗濯機入れとけよ!」
慌てたような声で返事をされる。
私は言われた通りに
洗濯機に下着を入れると、
シャワーを借りた。