第8章 水玉DAYS
"ピピー!!!! ブー!!!!"
「決まったぁぁぁぁ!誠凛の火神!ブザービートだ!止まんねぇ!!!!!今年も誠凛の優勝だー!!!」
観客が立ち上がり、
コートに向かって拍手を送る。
高校2年の冬
WCで誠凛は再び優勝を手にした。
決して楽な試合ではなかった。
進化していくキセキの世代。
でも、俺だって負けていなかった。
「火神!お前調子いいな!」
他の部員達から次々に声を掛けられる。
「うっす!今の俺、負ける気がしねぇんっすよ!」
「さぁ、今日も報告に行かなきゃですね。火神くん。」
黒子に背中を叩かれ、
俺はすぐに走り出す。
「火神はまだ彼女の所へ行ってるのか?」
「はい。それが彼の幸せですから。」
黒子はふっと静かに笑う。
「…火神の幸せねぇ…。」