第1章 僕らの幸せ
「じゃぁ、一緒に行きやしょう、仕事が終わったら俺の部屋に来なせェ」
「え、でも早くいかなきゃ切腹…」
「さっき土方さんは晩飯までにっていいやした、だからまだへいきでさァ」
「そうですね!わかりました!早く終わらせていきますね!」
「おう、がんばれよ」
「ありがとうございます!」
飛び切りの笑顔で微笑むと彼女はまたまな板の前に立つ、少し後ろで見ていたけど、まだ俺がいるのにも気づかずに、楽しそうに仕事をする姿に俺は柄にもなく微笑んでいた。
「気持ち悪ィ俺」
はっとして、俺は部屋に戻った。
* * *
沖田さんが一緒に買い物に行こうと誘ってくれて、仕事を早く終わらせようと頑張ったのですが、今日はいつもより忙しくて、しかも午後休みの分を午前に終わらせなくてはならないので、もう1時半になってしまいました。
沖田さん、怒ってないでしょうか
「…沖田さん?」
声をかけても部屋から返事がないので、
そっと扉を開けると、珍しくアイマスクをせずに眠っている沖田さんがいます。
「……」
きれいな寝顔…、髪の毛にお日様が当たり、きらきらしています
「すみませんでした、ゆっくり休んでくださいね、いつもお疲れ様です。」
そういうと私は部屋を出ようと沖田さんに背中を向けました。
「待ちなせェ」
「え?」
いきなり沖田さんの声が後ろからしました。
「待たせといてそれはねェだろィ、早くいくぜ」
「沖田さん…」
「ほら、早くしなせェ」
起きてたんですね、わたしが見とれていたのも…
あぁ、恥ずかしいです。
「はっはい!」
そのあと、少し微笑んだ沖田さんにドキドキしながら、私たちは屯所から出ました。
沖田さんも、微笑んだりするんですね…かっこよかったです。