第1章 僕らの幸せ
今日は久しぶりの休みをもらった。
いつもなら休みの日はたくさん寝る俺。
でも、今日はなんだか目が覚めた。
もう一度寝ようにも寝られない、
だから俺はある場所へ向かうことにした。
「?いるかィ?」
「…あ!総悟さん!おはようございます」
食堂の奥を覗くと、まな板に向かっていた彼女が笑顔で振り向いた。
彼女は先月ここへ来たばかりで、俺たち屯所の人間のご飯や洗濯、掃除など、すべての家事をしてくれているのだ。
きっと彼女もこの一か月休みをろくにもらってないはずだ。
「おはよ、今日も仕事か?」
「あ!それが今日は午後からお休みをもらえることになったんです!」
「まじで?俺も今日休みなんでィ」
「そうなんですか?なのに早起きなんて珍しいですね」
くすくすと笑う彼女はなんだかとっても絵になる
ドキドキと跳ねる心臓に、なんだか恥ずかしくなった
「あの…さ、もしよかったら俺と遊びに…」
「-、マヨネーズのストック出してくれー」
俺の言葉を遮ったのは土方だ、いつもいいとこで邪魔しやがる。何にも考えてない感じにさらに腹が立つ。
「あ!土方さんおはようございます!マヨネーズのストック…あぁああ!!切らしてました!!すみません!!」
「っ土方…」
「えええええええ?!まじでか!!しかたねぇ、今日はオフだから自分で買うとするか」
「すみませんでした」
「…土方さん、俺がかってきやす」
「はぁ?総悟が?今日は雷でもふるか?」
「総悟さんいいですよ!私が買ってきます!」
「いや、俺が行く」
「でも…」
「まぁ晩飯までに頼む、じゃな」
手をひらひらと振り、土方は去って行った。
またと二人きり。
「総悟さんほんとにわたし行きますからゆっくり休んでください」
「そんなにいきたいんですかィ?」
「仕事ですから」
当たり前のように笑う彼女はほんとに頑張り屋さんで、
あきれるくらい、俺の心を乱すんだ。