第10章 ◎ 忘れ物
「理玖っ!」
『おいおい、何追い掛けて来ちゃってんの?笑』
「あんな事したら居辛いわ!」
『素になったサエが悪い。』
「理玖が 、からかったからでしょ!」
『つい、な?笑』
「な?じゃないし、、!」
『まぁ落ち着けって♩ あれが素なんだから、別にいいじゃねーか!俺は素のサエが好きだな〜(笑)』
「.... 知るか!!」
素の方が楽だよ。
素を好きだと言ってくれるのは
嬉しい。
けど、同時に怖くもある。
『昼食ってくか?』
「うん、ハンバーグ!」
『太るぞ?』
「うるさい!笑」
素の自分を好きだと言ってくれる
馬鹿な兄弟と、馬鹿な兄貴の友達。
私が傷付こうが思い出そうが関係なく
思ったことをポンポン言ってくる。
でも、それが楽で有難くもある。
『あ、シフト確認!!』
「今日は変更無し!」
『流石!店長〜♩』
「でしょ〜?笑」
毎日毎日、会いに来て.. 色んな話をしてくれた理玖と海斗だから.. 私は素で居られる。