第1章 百日紅の夢
「ふん、声は良いな」
冷たい視線が私を射抜く。
馬乗りになられて全身を値踏みするように見られて殴られたような羞恥心が沸き立つ。
カッと顔に血が上って来る。
「名前はなんと言ったか?」
私の目を見つめながらリヴァイ兵長の濡れた舌が私の胸の突起に触れる。
「ひぅっ?!」
今まで感じたことの無い鋭い刺激に身体がビクンと跳ねる。
無意識に自分の口から漏れ出た声は悲鳴とも嬌声ともつかない自分でも聞いたことの無い高く裏返った声。
もう恥ずかしすぎて死にそうだ。
むしろ今死んでしまいたい。
「鳴くのは構わんが、俺の質問にはきちんと答えろ」
静かに抑えられた声ではあるが、先程舐められた場所で喋られて、、濡れた箇所に吐息が掛かる。
それが自分でも信じられない程の有り得ない激しい快感で背中が反り返るのを止められない。
「ッア―――――――――――っ!!ユウリですっ!ユウリでっぅぁあ―――っ!!」
生まれて初めて受ける快感の中でなんとか名前を名乗った矢先にもう一度同じ場所を舐め上げられた。
腰から背中を駆け上がる形容しがたい激しい感覚に身体が不自然に強張る。
「そうだ。ちゃんと答えられるじゃないか」
視線は相変わらず私の目を見ながら今度は同じ箇所に軽く歯を立てる。
途端に全身を痺れる様な快感が走り抜ける。
コリコリと弱く噛まれる度に鋭い快感が下腹部に向かって走った。
想像していた初夜とは、初体験とは180度違った。
大好きな人に包まれる甘くとろけるような夢を見ていた。
現実は…現実はなんと激しいものなのだろう。
ただ胸を数度愛撫されただけで息が弾む。
リヴァイ兵長の冷えた手のひらが胸に触れるだけで身をよじらずにはいられない。