第18章 テレフォン……
♪~♪~…。
着信音で目を覚ます。
聞き慣れた仮面レンジャーの主題歌。
…ユウトだ。
ボーッとした頭で時計を見ると、午前2時。
「もしもし…?」
「美月ちゃん、ごめんね。
寝てた…よね?」
「ん…寝てたけど、いいよ。
ユウトの声聞きたかったから」
電話の向こうで、ホッとため息をつく気配がした。
「…どうかした?」
心配になって聞いてみる。
「明日、オーディションなんだ。
ドラマの」
緊張してるんだ。
励ましてあげたいけど、どうしてあげたらいいのかなぁ…。
悩んで答えられないでいると、ユウトが私の心を読んでくる。
「励ましてあげたいって思った…?」
「えっ、あ、うん。
でも、何してあげたらいいのかわかんない」
正直に言うと、ユウトの声が甘えた声になる。
「じゃあ、俺のお願い、聞いて…。
いい…?」
ユウトのお願いかぁ、ちょっと心配だけど
私は
「うん」
と答える。
「美月ちゃんの、エッチな声、聞きたい…」
「ん…えっ?」
思いもよらなかったことに動揺する。
「今…?」
「うん、今」
とユウト。
「台本もないし、そんなのできないよ。
『スクールエッチ』見るとか…ダメ?」
聞いてみるけど、すぐに否定される。