第17章 初デート
…それって、私のこと…だよね…。
ポロポロ涙が勝手に流れてくる。
「ごめんね…ユウト。
私…私の初めては何でもユウトなのに、ユウトの初めては私じゃないって思ったら、悲しくて…悔しくて…」
自分の意思では止められなくなった涙を溢れさせる私の頭を、ユウトはポンポンって叩く。
そのまま、私が泣き止むまでそうしてくれてた。
「これから初めてのこと、いっぱい二人でしてこうよ。
美月ちゃんは俺が初めて好きになった子だから」
私はきっと、化粧も取れた上にウサギみたいに真っ赤な目をしてる。
何だか面白くなって、二人で笑う。
冷めちゃった料理だって美味しい。
…そうだ。
他の子と比べてどうだとか、心配するなんてバカらしいよね。
そんなことより1回でも多く、ユウトが好きだって伝えたい。
「ユウト…好きだよ」
「俺も…」
私たちは人目も憚らず、軽いキスを交わした。