第17章 初デート
ユウトが真顔になって何か言いかけたけど、乗り物の順番が来てしまう。
人気No.1のアトラクションだったのに、なんとなく気まずい雰囲気のまま終わってしまった。
「ちょっと、休憩しよっか」
お昼には少し早いけど、ネズミの形をしたハンバーグを食べる。
ユウトは苦笑しながら話してくれる。
「俺、ここに女の子と来るのは初めてだよ。それに、ちゃんとした彼女なんてずっといなかったし、デートらしいデートもあんまりしてない。
正直、女の子と付き合うのってめんどくさかったんだ。
イベントの時とエッチしたい時だけ、彼女なんかいればいいと思ってた」
精一杯言葉を選んでくれてるのか、ゆっくりと話してくれるユウト。
私も真剣に頷く。
「女の子を独占したいと思ったこともないし、束縛されるのなんか大嫌いだったから、相手の子が本気になったらすぐ別れてた。
…やな男だよね。
美月ちゃんと出会って、自分でも驚いてることがいっぱいあるよ」
ユウト優しい顔をしてる…。
私は無言で続きを促す。
「人ごみなんか嫌いだったのに、彼女の笑顔が見たくて行きたくなったり…。
他の男とただ話すことにすら嫉妬したり…。
焼きもちをやく姿も可愛いと思ったり…」