第17章 初デート
「今日はどこ行くの?」
朝ごはんを食べながら話しかける。
「美月ちゃんの行きたいとこ、どっかある?」
そう聞かれたら思いつくのは一つ。
デートといえば…。
「ディズニーランド…行きたいなぁ」
ダメもとで言ってみると、ユウトの目が輝く。
「いいじゃん。行こ。
いかにもデートって感じ!」
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それから急いで準備して、パークに着いたのは9時。
今日は平日だし、ハロウィンもまだ少し先だから、まずまずの人の多さ。
着いた途端にユウトはネズミの耳つきヘアバンドを私に、水色の顔つきシルクハットを自分に買ってきた。
「こういうとこでは、バカみたいに楽しまなきゃ損だからね」
子どもみたいにはしゃいでる姿が、可愛い。
乗り物は30分~1時間半の待ち時間があったけど、話してるとあっという間だった。
好きな映画の話、アニメの話。
ユウトと一緒にいると話すことに困ることなんてないくらい、気が合う。
そのうち何となく昔の恋愛の話になって…。
私はユウトが初めての彼氏だけど、ユウトは違うんだよね。
そう思ったら急に暗い気分になった。
「美月ちゃん、どうしたの?」
顔を覗き込まれて、慌てて目を逸らす。
「ここ…女の子と何回来たの?」
嫌なこと聞く、嫌な女だなぁって自己嫌悪。
でも、言い始めたら止まらなかった。
「ユウトは今まで、色んな女の子とデートもエッチもいっぱいしてきたんでしょ?
…今、本当に楽しいの…?」