第15章 文化祭
文化祭当日。
結局今日まで、ユウトとは会えてない。
メールでは『文化祭には必ず行くから、次の日も空けといて』って言ってたけど、本当に来れるのかなぁ…。
「美月何ボーッとしてんだよ。
上映はじめるから、しっかり挨拶しろよ」
実くんに言われて気合いを入れ直す。
お客さんの入りは上々。
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交代で昼ごはんにする。
ユウトは、まだ来ない…。
ごはんも喉を通らなくてボーッとしてたら、
ストン
実くんが隣に腰を降ろした。
「お前さー、彼氏と別れたら?
付き合うことになったって言ってから、全然幸せそーじゃねーじゃん」
うう…確かにその通りなんだけど…。
「俺の気持ち、変わってねーし、俺だったら、ずっとお前の側にいてやれる。
俺に…しとけよ…」
「……。」
私は何も答えられなくてうつむく。
実くんは、時々こうやって私の弱いとこを突いてくる。
ユウトから連絡がなくて寂しい時や、会えない時。
すぐに断らないなんて、私はズルい女だ…。
ゆっくりと顔が近づいてきて、キスされた。
拒否するタイミングは十分あったはずなのに、私は出来なかった。
本当に、ズルい…。
ユウト、私、揺れちゃうよ。
ユウトのことが一番好きなのに、寂しいのは耐えられない。
今日来てくれなかったら…自信がないよ。
「今日、一緒に帰ろっか」
実くんが頭をポンポンして、当番に戻っていった。