第12章 再会
「スイーツラビット?
そうだよ。ファンにもらったんだー。
限定品なんだよ」
自慢気に言うと、ユウトが苦笑する。
「いつも『応援してます』だけ書いてあって、匿名のファン?」
…?何で知ってるの…?
私は怪訝な顔をしてたんだろう、ユウトが吹き出した。
「それ、俺だよ。
よかった。使ってくれてて」
!!
そうなの!?
今思い出してみたら、確かにユウトと別れてから送られてくるようになったっけ…。
毎月2回くらい、ずっと送ってくれてた。
私、自惚れてもいいのかな…。
ユウトも私のことを好きだって、思ってもいいのかな。
電車の音が響く。
ユウトと二人で電車に乗って、ドアの側に立つ。
仕事や学校帰りの人たちで、電車は結構混んでる。何だか視線を感じるような…。
「ねぇ、ユウトのこと見てるんじゃない?
私なんかといて、いいの?」
そうだ、ただでさえイケメンなのに、ユウトは有名人なんだ…。
私は自信がなくなってうつむく。
「子どもばっかのとこにいけば、俺はヒーローだけどね。
俺のこと知ってる人なんて、ほとんどいないよ。
それに、ヒーローだってデートぐらいするでしょ?」
ユウトが笑って、手を握り返してくれる。
デート…なんだ。