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エッチな声のお勉強

第9章 別々の道


3ヶ月後。

再会した実くんとはすっかり仲良くなり、私たちはよくグループで遊ぶようになっていた。

声優の勉強も楽しいし、仕事の方も順調だ。

そして、今日は事務所に呼び出されている。

「美月ちゃん。
実は今日は、いい話なんだ。
『スクールエッチ』の番外編が作られることになったんだよ」

マネージャーは上機嫌だ。

私の初出演作『スクールエッチ』は、ユウトと出会ったきっかけの作品。

そして、ユウトと別れたきっかけの作品。

私の心は複雑…。

「そう、ですか…。
それで、私は…?」

問うと

「もちろん主役のゆきなは美月ちゃんにオファーがきてるよ!

やるよね?」

マネージャーの笑顔に、すぐに答えられない私…。

「すいません、少しだけ、考えさせてもらえませんか?」

「どうして?
今更ああいう作品には出られないってこと?
でも君のファンは大勢いるんだよ。

ほら、あの頃からのファンから、ファンレターもたくさん来てる。

それに、作品選べるような立場でもないでしょ」

険しい表情のマネージャーから、ファンレターとプレゼントを渡される。

…そうだよね…でも…。

「すいません、嫌な訳じゃないんです。
ファンの期待に応えられるような、ゆきなを演じられる自信がなくて…」

私はうつむいて答える。

「…でも!」

「本当にすいません。
少しだけ、少しだけ時間を下さい」

「1週間で決めること。
いい返事を待ってるから」

マネージャーはぶっきらぼうにそれだけ言って離れていく。

私、本当にワガママだ…。
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