第7章 終わりの足音
「お疲れ様です!」
美月は事務所に台本を取りに来ていた。
マネージャーが台本を渡しながら言う。
「こないだの放送も好評だったよ。お疲れ様。…あのね、話があるんだけど」
「なんですか?」
美月が言うと、言いにくそうに話はじめる。
「実は、次回で続編も、終了になることになったんだ。
美月ちゃんの演技はすごくよかったんだけど、色々あってね」
えっ…?
美月は目の前真っ暗になり、ふらふらと座り込む。
「だ…大丈夫!?
いや、今回の作品は終わりだけど、美月ちゃんには新しい仕事きてるよ!
しかも、次はテレビだよ!
子どもに人気のアニメだし…主役じゃないけと、レギュラーの一人だよ」
「あ…すいません…ちょっと、お手洗いに…」
美月は、おぼつかない足取りで洗面所に向かう。
頭の中は一つのことでいっぱいだった。
このアニメが終わったら、ユウトに会えなくなっちゃう…。