第20章 丸ごと全部
「んんっ……」
口の中のものに困惑しながらも、思いきってゴクンッと飲み込んでみる。
ちょっと変な味がしたけど、何とか全部喉を通り抜けていった。
「み…美月ちゃん!何やってんの!!」
ユウトが勢いよく起き上がって、私の手を引き洗面所に連れていき、水の入ったコップを手に押しつけてくる。
「どうしたの?」
首を傾げた私に、「早くうがいして!吐いてもいいから!!」と焦った様子のユウト。
一応指示通りにうがいしてから、私はユウトに笑いかけた。
「大丈夫だよ。ユウトのだったら、いつでも全部飲んであげる」
ユウトのほっぺが赤くなる。
腕が私の背中に回って、ぎゅうっと抱きしめられた。
ユウトが赤くなるなんて、そんなに恥ずかしいこと言ったかな……?
「美月ちゃん……可愛いすぎるよ。
俺……余裕なくなる……」
ふっと腕がゆるんだかと思ったら、ふわりと身体が浮いた。これはまた、お姫様抱っこで連れてかれちゃう?
お布団の上に降ろされる。
ユウトが覆い被さってきて、耳にチュッ、首筋にチュッって、音を立ててキスしていく。
感じるところばかり責めてくるから、私はまた身体が疼く。