第19章 旅行
京都!!
私たちの初旅行!
ユウトのお休みは3日間。
二人で思いっきり楽しんじゃうんだから!
空は雲一つない青空…でもなくて曇ってるけど、そんなの気にならない。
仕事が忙しくて寝る暇もないらしいユウトは、新幹線で爆睡してたけど、それも気にしない。
だって、寝顔…。
長い睫毛が時々揺れて、さらさらの髪が私の肩に触れる。
寝息までたてちゃって、あまりの可愛いさに私はドキドキが止まらなかった。
「ごめんね、美月ちゃん。
俺、寝ちゃってたね…」
そうやってすがるような目で見つめられると……きっとユウトは確信犯。
私は何でも許してしまう。
京都駅に降りたつ。
思ったよりも大きな駅で、二人でキョロキョロ……。
タワーというには小さすぎるような、低くて古い、細長い建物が目に入った。
その横が今日泊まるホテルだ。
ユウトは朝方まで撮影があったから、出発できたのは昼過ぎになってしまった。
眩しさに顔をしかめると、周囲の建物がオレンジ色一色になっている。
もう夕方かぁ……。
ユウトと一緒にいると、時計の針が進むのがすごく早い。
もっとゆっくり、もっとゆっくりと思うのに、急ぎすぎる時間が恨めしい。