第18章 テレフォン……
「…」
「…」
しばらく沈黙が流れる。
思い出してみると、恥ずかしい。
あぁ、恥ずかしすぎる…。
一人エッチでイッた上に、その声をユウトに聞かれるなんて…。
赤面して一人身悶えしてると、電話の向こうから笑い声が聞こえた。
「あははっ…すげぇ出た。
俺たちって、恥ずかしいね。
でも、ヤバい、美月ちゃんの声良すぎて、俺、クセになるかも…」
「癖にって…。
こんな恥ずかしいこと、二度としないんだから!
ユウトのバカ!」
大声で怒りながら、私は本当は分かってる。
自分がユウトのお願いなら、どんなエッチなことでもまた答えちゃうことを。
だって、ユウトが大好きなんだもん。
私の心を知ってか知らずか、ユウトは向こうで大あくびをする。
「明日オーディションでしょ?
もう寝よ」
「うん…。美月ちゃん。大好きだよ…。
今度、連休取れそうだから、旅行行こう。
お休み…」
最後に私を喜ばせる一言を言って、ユウトは電話を切る。
旅行…?
本気なの?
そんなの、楽しみすぎるよ。
私は興奮で眠れなくなって、布団の中で妄想に耽ってしまった。