第6章 そんなことが嬉しいの?
年が明けたら一緒に初詣も行った。
人混みでギュッと手を繋いで歩いた。
「何をお願いしたの?」
「ヒミツ」
みたいなやり取りもした。
私は初恋の人と恋愛ごっこしてる。
…
「冬休み中に他にどこか行きたいとこある? デート」
彼に尋ねられる。
「んー…特に思いつかない」
「じゃあ今度また僕の家に来ない? 勉強とかしないで、のんびり2人きりで過ごそうよ」
「うん」
のんびり2人きりって何するのかなぁってちょっと思う。
「エッチなこと考えた?」
「は?」
「今、エッチなこと考えたんじゃない?」
彼がエッチな顔で私に言う。
「それは自分でしょ? バーカ」
私は彼の腕をちょっと押す。
そっか。エッチなことするんだ。
…
寝る前の電話もする。
『部活どう?』
「うん。別に普通。楽しいよ」
『川口としゃべったりするの?』
「んー…まあ会えば」
『どんなことしゃべるの?』
「んー…。今日寒いねとかかな。なんでそんなこと聞くの? ヤキモチ?」
『別に。告白断った後ってどんな感じなのか聞いてみたかっただけ』
「え? それ経験あるでしょ?」
『え? …ん、そうか。でも、みなみ、全然僕と話さなくなったよ』
「だって、藍田くんも話しかけてこないし」
『……』
「藍田くん、やっぱりヤキモチやいてるんでしょ?」
『べつに…』