• テキストサイズ

僕の小説のモデルになってください

第6章 そんなことが嬉しいの?


冬休み。

藍田くんとデートに出掛ける。

映画を見た後は、クリスマスっぽい雰囲気の街をブラブラ。まじデート。

「みなみに何かクリスマスプレゼントをあげたいんだけど何がいい?
本当はサプライズ的にプレゼントするとかいいんだろうけど、何がいいのかさっぱり思いつかなくてね…」

彼が言う。

えーどうしよう。

やっぱ指輪?

まだ早いか…

ていうか…

「プレゼントとかいいよ。だって…」

私はちょっと口ごもる。

「だって?」

彼が優しく聞き返す。

「んーいい子じゃないから」

「えっ?」

「いい子じゃないからサンタさん来ないの」

私は答える。

彼は優しく笑う。

そして私の頭を一瞬なでなでする。

「みなみはいい子だよ」



結局、シャーペンを買ってもらった。

彼も同じのを買った。お揃いなの。

「こんなのでいいの? もっといいもの買ってあげるのに」

彼は言った。

「これがいいの。勉強出来るようになる気がするし」

私は答える。

私の期末テストの結果は割とよかった。

藍田くんに教えてもらったからかな。

「藍田くん、これ絶対学校で使ってね」

「うん。使うけど…どうして?」

「だって嬉しいもん。わたしたちこんなに仲良しなのクラスの人誰も知らないのに、お揃いのシャーペン持ってるんだよ?」

「そんなことが嬉しいの?」

彼がちょっと笑う。

「うん。すごく嬉しいよ。どう? 小説の参考になる?」

「うん。僕にはそういうの絶対思いつかなかったよ」

私も微笑み返す。

/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp