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僕の小説のモデルになってください

第4章 一生、忘れない


「キスしてもいい?」

彼が私に問いかける。

「いいよ」

私は答える。

彼が私の近くにサッと寄ってくる。

眼鏡を外して机に置く。

そして左手で私の腰を抱く。

私は彼の顔を見上げる。

彼が眼鏡を外したのは初めて見た。

彼は少しだけ恥ずかしそうに微笑む。

それは私にはとても可愛く見える。

私は目を閉じる。

……。

彼の唇が、私の唇に触れる。

私はファーストキスした。

初恋の人と。

ただし、相手は私のことが好きなわけじゃない。

…唇がちょっと離れたと思ったら、また別の感触がする。

柔らかくて濡れてて…

彼の舌が私の唇の隙間をそっと舐める。

えっ…と…

ディープキスするってこと…?

どうしたらいいのかわからなくて、私は固まる。

彼は右手で私の後頭部をそっと撫でる。

「口開けて…」

彼が優しくささやく。

私はちょっと口を開ける。

彼の舌が私の前歯に当たる。

「もっと…。あーんって…」

私は、あーんって口を開ける。

「んっ…」

彼の舌が私の口の中にグイッと入る。

あ…そんな…

私が反射的に身体を引こうとすると、彼が後頭部に添えた手でグッと押さえる。

口いっぱいに…よくわかんない感触が…

どうしたらいいか…

これどうしたらいいか、わかんない…

息とか…どうしたら…

彼がゆっくり唇を離す。

「緊張してる? 力抜いて。普通に息して」

「む…無理…。出来ない…」

「大丈夫だよ」

優しくそう言って、彼は私を床に押し倒す。

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