ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第1章 突風
「シャンクスは命の恩人なんだ」
死にそうなところを助けてくれた。そして近くの島まで送ってくれた。
それからその島の山奥で戦い方や能力の使い方を特訓し、5年後、16歳になり、小舟で島を出た。
それから島を転々として、さらに3年の月日が過ぎー…
「ローに声をかけられたということ」
上を向くとローと目が合う。
「で、航海術も持ってねぇのによくあんな小舟で生きてたな」
ローはそう言うと首に顔を埋めてきた。
「くすぐったい!航海は基本的にしてない。私は空を飛んで、同じスピードで荷物を乗せたあの小舟を風で進ませてただけだから」
「「「なるほど〜」」」
クルーが皆頷いた。
「いやお前、そんな辛い過去のこと急に全部話さなくても…」
心配そうなシャチに、リンは笑顔で答える。
「んー、べつに貴方達になら隠さなくてもいいって思ったから」
そういった瞬間、涙ぐんだクルーが、一斉に飛びついてきた。
「わっ⁉︎え⁈」
「リン!!!」
「お前大好きだー!!!!!」
「よろしく頼むなーー!!!!」
「みんな、落ち着いて…はは…」
一人だけ、すっと手を構える男。
「ROOM…」
そう、リンを足の間に座らせていたため、男何十人分の重さがローにも加えられたのだ。
クルーたちが青ざめた時には既に遅く。
バラバラのパーツが散らばった。
困ってローの方を見る。
「ったく…まぁそう言うことだ。ようこそ、ハートの海賊団へ」
その言葉に、アカリは苦笑いと笑顔で返事とした。