ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第6章 吹花擘柳 (すいかはくりゅう)
「…きたか…この日が…」
朝からベッドの上にうつ伏せでのっぺりしているリン。
そう、今日は女の子にしかないアレの日だった。(R設定してあるし言ってしまうと生理です)
「あんまり夢小説でこんな日常的なこと入れてくる作品ねーだろ…しかも重症にしやがって…聞いてないよ私…作者め……あれ、なんか今変なこと口走ってたような…まぁいいや…腹痛い…」
と、こんな状況。
するとドアがノックされて、ベポが入ってきた。
「リン!大丈夫?来ないから心配して…」
「ベポ…大丈夫だよ。…そこのカーディガンとって…」
ベポは灰色のリン愛用カーディガンを渡す。
「はい!大丈夫?風邪?」
「いや、雌の諸事情とでも…」
はてなマークを浮かべるベポに支えられながら食堂に連れて行かれる。
「リン!!今日は遅ぇな!なんだ寝坊かぁ?」
朝からテンションの高いシャチにイラっとして脛を蹴った。
「いって!!!」
「声がデカイうるさいバラされろ分子レベルで」
その言葉にクルーがゾッとした。
「…リン、どうした。顔が白いぞ」
「ペンギン…今日はアレなんだ…血がやばくて腰が痛い…」
「わかった!船長とヤったのか!」
説明しようとしたところでまたシャチが入ってきた。しかもとんでもないことを言って。元から低血圧のリンは女の子の諸事情によりさらに貧血であり、沸点も低かった。
そしてー。
「アホォ‼︎生理じゃ生理‼︎てめぇも下から血ィ出してやろうか⁈あぁ⁈」
「ゴメンナサイ」
リンの言葉にシャチだけでなく他のクルーも身震いした。
「…リン、女の子がそんな事言うもんじゃねぇぞ。確かにシャチが悪いが」
ポンと頭の上に手を乗せ、あまり整っていない髪を優しく撫でるペンギン。
「…いや、みんな医者みたいなものだし、知ってるだろうと…」
「いやそういう問題じゃなくてな…まぁとりあえず座れ。なんかあったかいもん持ってきてやるから待ってろ」
ペンギンの紳士対応に感激しながらじとっとシャチを見る。
「…ペンギンの爪の垢でも煎じて飲めばいいんじゃないの」
「さっきはごめんて」
さすがに申し訳なさそうにするシャチにプッと笑うリン。