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ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話

第5章 春嵐


出航から早7日。
平凡な日々を過ごしていた…が。
どうやらこの船の船長はそうではないらしく。


「ねぇねぇペンギン、キャプテン怖いよ」

「あぁ…いつもより一層だな」

とまぁクルー達を怯えさせているわけで。


その理由とは…。


「リン」

「んー」

「なぁ」

「なにー」

「構え」

「後でー」


とこんな感じでリンは本に夢中でたとえローが抱きついてこようとクルー達の前で頰にキスしてこようと、終いには構えといかにもキャラ崩壊なことを言っても相手にしなかったのである。

そして現在も、本に没頭していた。

「ベポ、リン呼んでこい。引きずってでもな」

「アイアイ‼︎」



リンの部屋に行き、ドアを開けても何も言わない。読書に夢中になっていた。

「リン、ちょっときて」

「あ、ベポ!どうしたの?今行く」


なんと、ベポの言葉にはすぐに動いたリン。

影でひっそりと見ていたシャチは、これは絶対船長に言ってはならない…言ったが最後、ベポじゃなくておれらの体がパーツと化す…‼︎と身震いしていた。


「どうしたのみんな、そんな深刻そうな顔して」

食堂に連れてこられたリンは軽々と言い放った。


「「「お前のことだよっ」」」


久々に総ツッコミが決まったところで本題に入った。


「機嫌?普通に見えたけど」

「…お前の目はナナフシか‼︎」

シャチが言った言葉にすかさずペンギンが節穴な、とフォローを入れる。

「で、私が原因てどういうこと」

「お前、船長に何されても相手にしてなかったろ」

ペンギンの指摘に、あー確かにと頷く。
だがある違和感に気付いた。


「…なんで私が相手しなきゃならない?」

「「「このオバカッ‼︎」」」

「この鈍感!」
「天然!」
「クマ好きめ!」

「???!」

悪口なのかそうでないのかよくわからないことを言われ、頭が混乱する。
その時、ペンギンが肩にポンと手を置いた。


「まぁいい、今から船長の機嫌を直してきてくれ。な」


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