ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話
第3章 光風
「帽子!皆と同じスタイル!嬉しい!」
「…ガキだな」
「ガキですいませんね…でも本とか帽子とかいろいろありがとう」
心からのお礼をしたら、ちらっとこちらを見た目は大きく開かれていた。
「?」
「ガキで能天気でアホ…」
「酷いワードの連呼だな」
「ククッ…ふはっ…お前はほんとに…」
ローが笑っている。
しかもたくさん笑っている。
「そうやってローが笑顔になるんだったらガキで能天気でアホでいい」
ぷいっとしながら言ったが、手が、指が絡み合う感覚を覚え、顔を向けざるを得なくなった。
「…俺のためにガキで能天気でアホでいてくれんのか」
「居てくれるって言うかこれはもう性格上仕方ないことであって」
「ツンデレ…か…」
「違う!!!」
ローのペースに翻弄されながらも、リンは反論を続けた。
繋がれた手は暖かく、どこか安心するものがある。
リンは手を強く握ると、同様にローも強く握った。
活気のある通りを抜け、静かで清々しい風の通る草原を歩く。
二人とも、胸のあたりの心地いい痛みに気づかないフリをして。