第6章 故郷もいいけど
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母「忘れ物ないわね!?」
『うん!』
母「おばあちゃんに会えたら、よろしく言っておくのよ」
『分かってる!じゃあ、行って来ます!』
今日からゴールデンウィーク。
そして、宮城遠征だ!!!
「おーおー、機嫌いいなぁ」
『そりゃ、2年ぶりの故郷だからね!』
「はしゃぎすぎて迷子になるなよ。行くぞ」
『土地勘はあたしの方があるんだからねー!』
あれからクロ君は毎日あたしの家まで迎えに来てくれている。今まで研磨と通学していたらしい。その研磨はたまに一緒に来てくれるけど。
研磨とクロ君の家はあたしの家の延長線上にあるらしく、クロ君は少し早く起きてこうやってあたしの家に来てくれる。
1人で行くより誰かと通学した方が楽しいから助かってるけど。
灰羽「俺も行きたいッス~…」
夜久「お前はまだまだレシーブが話になんねぇからな。ちゃんと練習しとけよ」
灰羽「えぇ~…せめてさんだけでも残ってくださいよ~」
「んなわけにはいかねぇダロ、遠征はマネージャーの仕事が盛りだくさんなんだからな」
灰羽「クロさん、そんな事いってさんといたいだけですよね」
「リエーフ!!!」
『みんな、元気かなぁ~』
何か言ってたみたいだけど、懐かしい故郷の事を思いだしていたあたしには聞こえなかった。
(き、聞こえてなくて良かった…のか?)
(クロ、どんまい)
(うおっ!研磨いつの間に!?)