第5章 ようこそ、音駒高校排球部へ
『…何、クロ君も研磨も寂しいの?よく抱き着いてくるよね』
「…研磨もかよ」
『うん。けど研磨は後ろからくっついてくることの方が多いけど』
なるほど、研磨らしい。
だが、今は俺の事だけを考えてほしいと思うのは欲張りだろうか。
『それで、どうしたの?早くご飯食べなきゃ、午後練始まるよ』
「あぁ」
分かってる。が何とも思っていない事も。だからこそ、面白い。いつか俺にドキドキさせてやる。
だけどそれは今じゃない。
今はあいつらも待ってるしな。
の体を離し、部室の扉を開けた。
「「「「「いらっしゃい、ちゃん!!!!」」」」」
『…え?』
部室の中はパーティ仕様になっていた。もちろん部員全員と、猫又監督や直井コーチもいる。
今日はの歓迎会だ。
夜久「クロが無理矢理誘ったにも関わらず、マネージャー引き受けてくれてありがとな」
海「みたいな仕事が出来る元気なマネージャーが入ってくれて助かった」
犬岡「特に研磨さんが喜んでますよね!」
灰羽「さん可愛いっすもん!」
山本「おおおおおおっ!!」
何人もの部員がに声をかける。初めはびっくりしていただったが、皆の言葉に一喜一憂していた。
猫又「ちゃん」
『はい!』
猫又「キミのマネージャーとしての働き、十分に見させてもらったよ。そして人間性も。あの難しい研磨が懐くだけの事はある、とても素晴らしい女性だ。これからもバレー部のマネージャーとして、選手を支えてやってくれ」
『~っ!!!はいっ!!!よろしくお願いします!』
監督からの言葉に、は涙を流していた。
「」
『研磨…わっ!』
研磨は何も言わず、の手を引っ張って料理が並んでいるテーブルまで連れて行った。それを合図とし、全員が食事を持つ。
そしてこれが俺のもう1つの仕事。
「」
「「「「「ようこそ、音駒高校排球部へ!!」」」」」
(ケーキは用意してないよ。のアップルパイがあるから)
(え゛っ)
(あの箱の中身、皆待ってるぞ)
(~っ!!!)