• テキストサイズ

いつの間にか非日常

第3章 それは友人とは言い難いもので


―-



『もう帰ったら?授業始まるよ』

「ん。じゃーな、研磨」

「…うん」



…何よ、散々からかっておいてあたしには挨拶も無し!?お調子者先輩と違って、この人には礼儀もないの!?



「もじゃーな。研磨の事、よろしくな」



クロ君はあたしの頭をまたくしゃくしゃと撫でて歩いて行った。あたしはバッと乱れた髪を手櫛で直す。そして研磨に向かう。



『何あの人!何しに来たの!?』

「…多分、を見に来たんだと思うよ」

『…あたし?』

「…俺、昔から友達はクロしかいなかったから。クロもきっと俺を心配してて、友達が出来たって聞いて嬉しくなったんだと思う」

『…ふーん』



研磨を心配して、ねぇ。研磨がこうだからクロ君の気持ちも分かるけど。…分かるけども。



ただ、あたしがからかわれただけのような…




いやいや、研磨の友達を悪く言うのはダメだよね。…あれ?あの人、あたしの事も友達だって言ってなかった?





だけど



それは友人とは言い難いもので






クロ君の意図もまだまだ分からないままだった。

















(友達の友達は友達…?)

/ 106ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp