第3章 1つで5桁のメロン 前
牛尾が立ち上がってキッチンに消えた。帰って来た牛尾の手にはワインボトルと、綺麗なワイングラスが2つ。
「土井さんはインタビューを諦めるみたいだし、今夜はパーッと飲んじゃおうか。」
「待て待て。協力してくれないのは困る。」
「じゃあ、選択肢は1つだよね?」
牛尾は器用にワインのコルクを開けると、ルビー色の液体をグラスに注いであたしに差し出した。
・・・お弁当が食べられなくなる呪いをかける事が決定致しました。
「分かったわよ!今度招待するから!ただし事前に日付は決めなさいよね!」
「ありがとう!早速決めようか。」
牛尾は嬉々として鞄からスケジュール帳を取り出した。
「先に研究インタビュー!」
あたしは鞄からボイスレコーダーと研究内容の書類を取り出した。
「呪われろ。おなかぺこぺこの時に呪われろ。」
「何をぶつぶつ言ってるんだい?」
「何でも無い!」
怒りに任せるままに、あたしは仕方なくスケジュール帳も机に叩き付けてやった。
あぁもう!!あたしは怒り心頭です!!
神様!!この駆け引きさえ完璧な超人を!!どう扱えばいいんですか!!