第1章 ひとりにしないで…
ミリア
「!!痛っ」
ミクリ
「ミリア!!」
兵士が短剣を私たちに向けて投げたのだ…
不幸中の幸いというのか、私の左腕を掠っただけですんだ。しかし、白いワンピースが赤く染まっている。
ミリア
「ハァ、ハァ……大丈夫ですわ、ミクリお姉様…」
ミクリ
「せめて……せめて、ミリアだけでも…」
ミリア
「???ミクリお姉様?今、なんて……」
ミクリ
「ごめんね、ミリア………」
ドンッ
ミクリお姉様は悲しそうな顔をして、私を窓から突き飛ばした。
ミリア
「えっ?きゃぁぁぁぁぁ」
国王軍の兵士
「おいっ!!娘がひとり、窓から逃げたぞー!!!」