第9章 旧友との再会
それから1週間、私とリオンは、完全に主と執事だった。
それは、夜も。
私が拒んでいたからなんだけど・・・。
カイは城に泊まり、私の公務の間は外に出て、空いている時間に会いに来る。
今日も城の庭で、お喋りに花を咲かせる。
カイは商人の息子で、12歳ぐらいまで、私と同じ町で暮らしてた。
父親が経営していた店が倒産し、行商人となってからは会っていなかった。
だから、私の知らない色々な町の話を知っていて、話がすごく面白い。
「この町に店を開いて、落ち着こうかな」
急に真面目な顔をして、カイが言った。