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戦利品は己の手で:続

第8章 戦利品を招き入れた



「…ところで長曾我部、あなた…私の事知ってる?」

「突然なんだよ」

番組が終わり、5分くらいCMが続くタイミングでは少し低い声で問いかけて来た。

「別に記憶喪失とかそんな話じゃないから」

「だろうな、で、どうしたんだ?」

「…なんだか懐かしいの、あなたとこうして話しているのが。」

は悲しそうな泣きそうな顔で俺の目を見ている。
さて、俺はここでなんて返せば正解なんだろうか。

「でも、怖いの。何故なのかしらね、なんだか飲み込まれてしまいそう」

あなたの眼に、と呟いてはぎゅっとクッションを抱きしめた。
は思いだそうとしてるのか?あの悲惨な過去を、俺がアンタにしちまった過ちを、思い出そうとしてるなら、俺は止めたい、やり直したいんだ。

「すまねぇ、わかんねぇな」

「ならいいの」

シャワーかりるわ、そう言っては持っていたクッションをソファに置いて風呂場に向かった。


「思い出させちゃダメだろ、駄目だ。俺はやり直したいんだ」

目をつぶってあの過去を思い出す。
俺は何をしてきた?を直接この手で✘したんじゃねぇか…。なぁ。
その過ちを思い出させたら確実には俺から離れて行っちまう。そしてまた毛利とくっつくだろう。目に見えてる。
俺は今まで通り、普通に、友達として近づいて、あの間違った人生をリセットして、今度こそ2人で幸せになるんだ。

「…その為ならなんだってできる」

を不幸になんかさせたくねぇ。




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